修理事例・対応事例

修理事例 対応事例

1986年GMCジミー ブレーキ故障 アメ車修理

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修理事例
車種1986年GMCジミー ブレーキ故障 アメ車修理

ホームページより問い合わせがあった事例です

ブレーキが突然利かなくなりブレーキペダルを思い切り
踏み込んでなんとか無事に止められた、という事です。

お知り合いの工場に見てもらったところ、オートマ不良
じゃないかと言う事で添加剤を入れてもらい現在は
正常を保っているのですが他に原因などは考えられますか?

質問内容を簡単にまとめさせてもらいました

オートマがブレーキ故障に関係するとは考えづらく
ガレージ的には、マスターシリンダー不良ではないかと
思うのです。

詳細な原因は最後の方で書いておきますが
ブレーキが利かなくなる原因としては、一つ目は
マスターバックの不良
二つ目はマスタシリンダー不良
他にはブレーキフリュード不足や
パーコレーションなどですが質問の内容が「今は正常」と書いて
あるので、マスターバックとフリュード不足は無さそうですね

マスターバックには2種類ありまして、エンジンバキュームを
利用するダイアフラムタイプとパワーステアリングポンプの
油圧を利用しているハイドロリックタイプがあります。

ジミーはバキュームを利用するダイアフラムタイプなので
エンジン回転が著しく低下した時などは負圧不足でマスター
バックが作動しない場合もあります。

ダイアフラムタイプマスターバック

マスタバックの点検方法は
エンジンをスタートさせていない状態で
ブレーキを数回ポピングし固くなったら
そのまま踏んだ状態を維持

維持したままエンジンをスタートさせ負圧が発生すれば
ペダルは床の方に吸い込まれるように下がっていきます。

 

ハイドロリックブースター

ハイドロリックタイプも要領は同じです
エンジンをスタートさせパワーステアリングポンプが
動き油圧が発生すればペダルは床方向に下がります。

気を付けたいのが、最近の車検は悪くないところは
交換しないなるべく安くあげる車検整備になっていますよね

確かに悪くもない部品を交換するのって。。。。
と思いがちですが、中古で購入したアメ車の
整備記録を把握してますか?

キャリパーやシリンダーなど外見からフリュードリークなど
判断できる部品は良いでしょうが、
マスターシリンダーなどは分解する分けにもいかず、
フリュードがすごい汚れたりすごくボロッちく見えない限りは交換
の文字は頭に浮かびませんよね。

ブレーキホースも同じです。

このような部品ってたくさんありますよね
オルタネーターだったり、燃料ポンプだったり
比較的寿命が長い部品は見過ごされてしまうのです。

マスターシリンダーは重要な部品です
この部品だけで乗車中の人間の命を危険から
守っているのです。

命はお金はには代えられないでしょ!
安く安くという車検なんてやらない方が良いのです

マスターシリンダーの不具合原因ですが
ブレーキフリュードをキャリパーやシリンダーに
圧送するシールと言うゴムの部品があるのですが
このシール、分かりやすく他の物に例えると
ワイパーブレードのゴム

ワイパーを動かすとフロントガラスから雨をきれいに
拭きとってくれるでしょ

でも時に劣化やチリなどで細い筋になって残って
しまう時がりますよね

マスターシリンダー内のシールも同じで
正常な状態の時は100%ブレーキフリュードが
キャリパーやシリンダーに圧送されますが
シリンダーに線傷やシールにチリが噛んだりすると
フリュードは100%圧送されず「抜けた」状態に
なってしまうのです。

ペダルを踏めば踏んだだけフリュードがキャリパーや
シリンダーに圧送されるのドライバーの意のままに
車を止めることができるのです。

フリュードが100%圧送されないと今回のような
症状が発生するのです。

マスターシリンダー内部の部品は単純で数も少ない
のですが一つ一つ重要な役割を持っていますから一つでも
少しの劣化でも正常に作動しなくなります。

皆さんも愛車の状態や経緯が不明なら、ブレーキシステム
だけは交換しておくことをお勧めします。