- Q.
お聞きした事がありメールいたしました。
98アストロ、平行輸入車。走行数98000km。
購入してから数年になりますが、最近トラブル続きで少々気持が落ち込んでいます。
リヤデフ修理、冷却水漏れ、エンジン不調などを修理し暫くは調子も良かったのですが最近になりエンジンが突然止まってしまうのです。
買い物に出掛け荷物を家に運び込んでいる数分の間に気が付いたらエンジンが止まっていました。
エンジンをかけ直すとすぐにかかりました。同じような症状は、乗る度にではなく日に何度も起きる時もあれば一日中起きない日もあります。
症状が出始めてから、少しエンジンがブレているように感じます。
修理に出すのですが、症状が出ず毎回何も手付かずで帰ってきます。
違う所に修理をお願いした時は、多分EGRバルブか火花系統だろうとゆう事で交換をしてもらったのですが直る兆しは見られませんでした。現在はいつもお世話になっている工場に預けた状態になっています。
工場の方は特に悪い所も見当たらないので症状が出るのを待って再度点検をしてくれる事になっています。私が乗ると症状は必ず出るのですが、工場に預けているとなぜ、症状が出ないのでしょうか。
あと、突然エンジンが止まってしまうような原因を見つけるにはどこを点検したら良いのでしょうか、教えてください。
- A.
症状が再現しないんですか、それは困りましたね。
前にも書いた事ですが、症状を再現させるのも修理の技量の一つ、修理なんて物は部品を交換する事じゃなくて、原因を見つける事が本当の意味での修理なんだと私は考えています。
大切な愛車を預けて症状が出ないんですよねぇ~、じゃ納得いかないよな。
症状が出ないなら出ないなりに考えられる個所を点検するとかテスト走行を普段より長く行ってみるとか色々と尽くす手はあると思うんだよ。
エンジンが時々止まるんだろ、それじゃエンジンをかけて少し様子見をみてるか、ではダメなんだよ。ダラダラとアイドリングをしている車を人間もだらだらと眺めていたんじゃ時間の無駄と言うもんだ。
だらだらする前に、まずエンジンってのはどうやってかかっているのか、そこを考えていくべきだろう。昔の車と違って、今の車は、良い混合気(キャブレーター)良い圧縮(エンジンメカニカル)良い火花(IGN系統)この三つが揃っていれば良いってもんじゃない。
PCM(プログラムコントロールモジュール)に制御されている最近の車では、良い条件の三つ、それぞれにもっと細かく分類された決まり事が追加されどれか一つでも欠ければ、エンジンは不調になり最悪はストップしてしまうのである。よく質問される事なのだが、「エンジンが掛からないんですよね、どこが悪いんでしょうか」こんな幼稚な質問を同業者がしてくる事がある。
素人さんならともかく同業者がこれではさすがに返答する以前に困惑してしまうのである。
どこを点検して分からないんですか?と尋ねると、「まだどこも点検はしていないんですけどね…。」おれは、お前の母ちゃんじゃねえよって言い返したくなる場面である。甘ったれも良いとこだ。PCM制御されてエンジンでは通常燃料ポンプは電気で動き、そのポンプから送り出されるガソリンがインジェクターから噴射される
。インジェクターで放射状に噴射されるガソリンは空気と混ざり燃焼する。
インジェクターから放射状にガソリンを噴射するには燃料に圧力を加え送り出さないといけない、圧力を伴うガソリンを作り出し送り出すのは燃料ポンプである。
燃料ポンプが動いている音がすればポンプは正常と決めてしまうのいけない判断である。
ポンプが動いていてインジェクターまでガソリンがきていても規定の圧力を作り出す事が出来なければインジェクターは開かず混合気を作り出す事はできないのである。
ポンプが弱っていて時々圧力が少なくなるとしたらどうだろうか、エンジンは止まってしまうのではないだろうか。火花系統で関係で考えてみる。火花を出すには、クランク角センサー、カムシャフトポジションセンサー、コイル、デストリュビュターキャップにローター、スパークプラグワイヤー、スパークプラグなどと言ったパーツがある。ここで挙げているセンサー類が時々悪くなるとしたらどうだろうか、エンジンはいきなり止まる事になるだろう。
ポンプなら燃料圧力計を取り付け数値を測定する、センサーなら診断機に履歴として残るはずだ。診断機が無くてもサーキットテスターでセンサーの導通があるかないかくらいは点検できますから行って見てください。
Points!
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1.燃料ポンプは動いているからと言って良と判断するのはいけない。燃料は送られるが燃料圧力が足らずインジェクターを開かす事が出来ないからだ。
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2.カムシャフトセンサーはデストリュビュター内部にある、クランクシャフトセンサーはエンジンフロントカバーに付いている。
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3.燃料ポンプに電源を供給するのは、フューズボックス内にあるポンプリレーをかえし供給する仕組みになっている、リレーの点検も忘れてはならない。