- Q.
お忙しい所おそれいりますが、アストロロールーフ平成10年の事で知りたい事があるのですがよろしいでしょうか。
最近になってブレーキを踏んだ時、たまにブレーキがガツンといきなりロックしたように利く時があります。
先々月にリヤブレーキをリフレッシュしたばかりです。
リフレッシュした事が何か関係しているのでしょうか。
たまにしか出ない症状なので頻繁に出るようになってから工場に入れようかと思っていますが、それまで乗っていて平気でしょうか。
よろしくお願いします。 - A.
それまでって。。。
いずれ見てもらおうと思っているのなら今見てもらえば良いじゃん。
平気かって訊かれても困るわ~。止まらないわけじゃねぇから平気なんじゃん。
こんな答えで良いかな?
言い訳ないよなオーナーにしてみたら深刻な事なんですよね、傍から見ているよりもね。リヤーブレーキがロックしてしまう原因と訊かれてパットと頭に浮かんでくるのは、ドラムが外気に冷やされ内部に水滴がつきシューとの間に発生する摩擦係数が増加し小さな力で押し着けられただけでシューとドラムが密着してしまいロック状態になってしまうとか、シリンダーから盛れだしたブレーキオイルがシューに付着しドラムとの摩擦でシューとブレーキオイルが焼け摩擦係数が異常に高いシューとなってしまいロックしてしまうとか色々ある。
ブレーキオイルが付着したら逆に滑るんじゃないの?って思うだろうが、滑るのは最初の頃だけで、ブレーキオイルが染み込んでしまったシューがドラムとの摩擦で焼きが入るとシューの材質が変わってしまいドラムに貼り付いてしまうようになる。
デパートなどの床が少しだけ湿っていると靴の底が床に引っ掛かるようにキュッキュッとさせた経験はないだろうか。
これは湿気が滑り止めになり靴底と床との摩擦が増した事による現象でブレーキのロックと同じ事なのです。
床の湿気が湿気ではなく、“濡れた”状態だとキュッキュッではなく、ツルンツルンと滑るに変わっていくのです。少しニアンスは違うと思うが分かりやすく説明するのならこんな感じになります。
ブレーキオイルが付着し焼けていない状態では滑り、焼けてくるとロゥクを起こすと言うわけです。
タイヤを外してドラムも外しブレーキシリンダーからブレーキオイルが漏れていないか確認してみよう。
シューに付着する油脂類はブレーキオイルだけではない、リヤーデフギヤーオイルがアクスルシャフトシールから漏れればシャフトに付着したオイルは拡散されシューに付着する事になるのでアクスルシャフトシールも確認すると良いだろう。
シューにオイルが軽く付着している状態ならサンドペーパー#80くらいで表面に汚れを落とし、溶剤やパーツクリーナーで荒い流せば再使用も出来るが、べったり付着し染み込んでしまっていたら新品と交換した方がいいだろう。
ドラムも内側をペーパーで擦り汚れを落とし溶剤やパーツクリーナーで洗浄しよう。ロックする原因であと一つ説明しよう。
熱によりドラムの内側が歪み、その歪みのへこんだ部分にシューが引っ掛かりロックしてしまう事もある。
この場合はドラムの内径を測定し許容範囲であれば内側を研磨するか交換になる。
許容範囲であっても研磨したドラムに肉厚は薄くなるので歪みやすくなる事は必然的である。
ブレーキロックの原因がオイル漏れだとしたらどちらのオイル漏れであっても危険を伴うので、待つ、じゃなくて即見てもらおうよ。
Points!
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1.ブレーキシューにブレーキオイルやギヤーオイルが付着し染み熱せられるとドラムに貼り付いてしまうようになる。
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2.ブレーキオイルはシリンダーから漏れ、ギヤーオイルはアクスルシャフトシールから漏れてくる。少量の漏れでも即修理しよう。
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3.シリンダーやアクスルシャフトシールから漏れたオイルはシューだけではなくこのようにドラムの内側にも焼きついてしまう。