修理事例・対応事例

修理事例 対応事例

アメ車修理、1998年、シボレー、タホ、パワーステアリングギヤーボックス、東京都、練馬区オーナー所有

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修理事例
車種アメ車修理、1998年、シボレー、タホ、パワーステアリングギヤーボックス、東京都、練馬区オーナー所有
依頼内容1998年、シボレータホ、東京のオーナー、パワーステアリングフリュード漏れ

対応事例の車両は1998年、シボレータホ。

オーナーは東京都練馬区在住。

パワーステアリングフルード漏れで修理に出した

が数日後には漏れが再発してしまったという不具合。

オーナーと問診いどのような修理作業をしたのか

聞いてみた。

内容は詳しくは分からないが、ギヤーボックスのどこか

のシールを交換したと聞いていると話してくれた。

タホの漏れ箇所を見るとピットマンアームシャフト

オイルシールからフルードが漏れている

オーナーに修理前と同じ箇所か尋ねると

同じですと言う回答だった。

漏れ箇所を洗浄すると真新しいオイシール

が見えてきた。

交換してもらって1週間経ってないんじゃな

ないかな。。。そう嘆くオーナー。

ギヤーボックに使われているオイルシールや

ガスケット類の中でもっもと多く漏れが

発生するのはピットマンアームシャフトオイル

シール(1)

だ。次に多いのがスタビライザーシャフト

オイルシール(2)。

(1)はピットマンアームがジョイントされている

シャフトでステアリングを操作するとシャフトが

回転しピットマンアームを経てステアリング

リンケージにリンクされタイヤを左右に動かす

部品でもっとも抵抗が大きくなる部分なのです。

シャフトはブレスブッシングまたはニードルベアリンブ

で支えられておりこのベアリングが摩耗するとシャフト

は大きく振りはじめオイルシールのリップ部分を広げて

しまいシャフトとの密着性が低くなるのでフルードが

漏れてきてしまうのです。原因追及を行う時は

上部だけではなく「なぜそうなったのか?」

と思う事が重要なんです。

オーナーと話しをしていて駐車場がマンションの立体駐車場

で床部分は鉄の格子なので下の車のオーナーから

クレームが入るので今はコインパーキングに止めている

のだそうだ。

東京の練馬にあるコインパーキングは駐車料が

高い、それを考えたら早く直したいと言っている。

アメ車修理をする工場さんはたくさんあると思い

ますがアメ車と真剣に向き合い真面目にアメ車修理

を行っている工場さんは東京に何件あるでしょうか。

そもそも分解修理を行うには認証と言うものが

必要なのにほとんどのアメ車修理専門工場さんは

認証をお持ちでないのが実情。

認証を持っていないアメ車修理工場さんに修理を

任せあとから問題が起きても何も言えないのです。

簡単に言ってしまえば個人に修理をお願いしたと

同じなので大きな責任を負わせることはできない

のです。

 

それでは本題に入りましょう。

フォード、ダッジ、シボレーに関わらず

パワーステアリングシステムを大きく分けると

油圧を作り出しているパワーステアリングポンプと

油圧を受けて操作時の負担を軽減するギヤーボックス

がある。

ポンプとギヤーボックスはシステムに見合った耐久性のある

デリバリーホース(大きな油圧をギヤーボックスに送る)

で繋がれている。

リターンホース(ギヤーボックスからフリュードをポンプに戻す)

この2本のホースでフリュードを循環させている。

ホースの形状はスチールパイプとラバーホースを繋ぎ

合わせた一体物で、繋ぎ合わせる部分は特殊な部品を使い

圧着されている。

圧着された部分からの漏れが故障としては多いが

部品も比較的安いし交換も簡単なのでそう悩む事もないだろう。

問題なのはギヤーボックスからのフリュード漏れだ。

リビルド品でもかなり高価なので、できるならリビルド

をしたい。

フリュードが、ギヤーボックスのどこから漏れて

くるのか。

よくある漏れ箇所としては、ピットマンアームシャフト

オイルシールからの漏れがある。

オイルシールはギヤーボックスにインストール

されている。

ドライバーがステアリングを回せばシャフトも回転し

常にオイルシールと擦れ合っている。

擦れ合えばオイシールは摩耗し密着度も弱く

なってくるのでフリュードが漏れ出してくるのです。

上記のような不具合は一般的な不具合で稀なケースもある。

何十年も鉄とゴムが擦れ合っている間に少しずつでは

あるが鉄も摩耗していくです。

シャフトに接触しているオイルシールの先端を

リップと言うがこのリップの先端がハガキ一枚程の

厚みなので長い年月が経てばリップの厚み幅と

同じ溝がシャフトにできしまうのです。

溝ができてしまったシャフトとシールは密着度が

減少してしまいそこからフリュードが漏れ出してきて

しまうのです。

そうなるとシャフトを交換したうえでギヤーボックスの

リビルド作業となります。

上記のように「漏れ」に関して一般的ではない不具合は

他にもあり、これから「他の不具合」を直しつつ

のリビルド作業を記載していきますよ。

まずはギヤーボックスを車体から外さないといけませんよね。

ギヤーボックスに繋がれている関連部品は、ステアリングシャフト

、ピットマンアーム、ホースなどです。

上記の部品を外す作業で専用工具が必要なのは

ピットマンアーム。

オンビーグル(車体に取り付けてある状態)作業で

ドラックリンクジョイント、

オフビーグル(車体から外れた状態)では

ピットマンアームとピットマンアームシャフト

の分離です。

上記に使う専用工具の購入の入手は難しくありません。

タイロッドエンドリムーバー、ボールジョイント

リムーバー、ピットマンアームリムーバーなどと

検索をしてみてください。

ギヤーボックスを車体から外しました。

ベンチバイスに取り付けてリビルドしていきましょう。

コントロールバルブボディーをケースから抜くと

ケース内で「!?」なにかバラけたぞ!!

と思う音がします。これはラックとシャフト

の間に使われているボールベアリングがケース

内でバレけただけの音でリビルドする上で避ける

事ができない事なのです。

次回更新にはバラけたボールベアリングの写真

を載せる事ができると思います。

このボール20個くらいかな?あるのですが

組む時に溝に並べる順番が決まっていて間違えると

ステアリングを回した時に手に異様な感触を

感じます。

私が最初にギヤーボックスリビルドに挑んだ時に

バラけたボールベアリンに慌てパニックってしまった

経験があります。地球には重力と言う物理があり

溝に並べたボールベアリングは逆さにする

と落ちてきます。

部品を組み付ける作業では上にしたり下にしたり

くるっと回すと言った動作を避ける分けにはいきません。

次回はそのような箇所の手順と手作り工具も交えて

更新していく予定です。

=========2020.12.1更新=====

スタビライザーシャフト&バルブボディーを
ケースから外し、ピットマンアームシャフト
を押さえているサイドカバーを外します。

これでケース内に残っているのは、ラックピストン
だけになりました。

ラックピストンリテーナーをケースから
外せばラックピストンが抜けます。

分解したパーツを分類しておくと作業がスムーズに
すすめられますよ。

スタビライザーシャフトとバルブボディー

ラックピストン

ボールとボールガイド

大きく分けると上記の3個です。

さらに細かく分けると
スタビライザーシャフト
バルブボディー
ウームシャフト
上記の3点になる。

 

上下または左右の移動が多い部品には

テフロンシーが使われています。

パワステだけではなくオートマ内部などにも

使われています。このシール丈夫で耐久性も

あり非常に良いのですが交換作業が特殊な方法

になるんですよ、一度伸ばしたら自然には戻らない

均等に伸ばしていかないとシールのレンジが不均等

になり使い物にならなくなってしまう。

次回はこのやっかいなテフロンシールの交換

作業を行いますよ。

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  • ベンチバイスに取り付けたギヤーボックスから、セレクトシャフトアジャスター を外しセレクターシャフトを抜いていきます。
  • シャフトとコントロールバルブボディーを一緒にケースから抜きます。
  • ケースから外したコントロールバルブボディーユニット。 シャフトにらせん状の溝がありますがこの溝とラックの溝の 間にボールベアリングがありステアリングをスムーズに回転する 事ができます。
  • バルブボディーを外すにはアジャストプラグを外す必要があります。大きなロックナットを緩めます。
  • サイドカバーを外しピットマンアームスシャフトを外します。
  • ケースの底にあるリテーナーを外しラックピストンをケースから抜きます。
  • ラックピストンが抜けたらケースの中は空っぽですね。
  • ケースから取り出した部品はこんな感じになります。部品点数は多くはありませんがシール類のリペアーがすごく難しいので す。