修理事例・対応事例

修理事例・対応事例

愛車診断 フォード エコノライン

愛車診断
車種フォード エコノライン
依頼内容車の状態を把握したい。

今月も時代を逆行するアメ車好きの愛車を点検しましょう。
 
愛車診断には何度か登場して頂いている富沢さん。安物買いのなんとか、と言うがこれほどその王道を行くオーナーは他にはいないだろう。何年か前に登場して頂いた時はGVANだったが、最近GVANを手放しエコノラインに乗り換え。
購入の経緯などは紙面に出す訳にはいかないので勘弁して欲しい。決して質流れや盗難車ではない事だけは確かですと言っておく。
 
筆者も現在は’95エコノに乗っているので筆者のより2年古いエコノに興味深々である。
点検前の予想ではあるがフォード車の状態ってのは経験してきたまとめとして、超極上物か困ったちゃんのどちらかだ。
さて今回のエコノはどちらなんでしょうか、結果が楽しみだなぁ~。
 
ハブベアリングにガタは無いが無さ過ぎな感じである。
ベアリングは走行中熱くなり膨張するので多少の遊びが無くっていけない。ブレーキキャリパーの動きが悪いとも考えられるのでキャリパーピストンを押し込み回転させるがやはり少々回転が重いのでベアリング調整を行った方が良いだろう。
キャリパーを押し込む時にかなり力が入ったのでキャリパーはオーバーホールをした方が良いだろう。
 
ブレーキホースはおそらく新車時からのホースだと見える。早急に交換をした方が良いように見えた。
キャリパーASSYをキャリパーマウントに固定するためのマウントピンも危うい状態だこれも交換ですね。
 
サスペンション系統はロアーボールジョイントに大きなガタがあり要交換のレベル。
この年式のエンジンの弱点としてクーラントリークがあげられる、エンジンの構造からして弱点になっても仕方ないとは思うがこのエコノも弱点を突かれているようだ。
 
エンジンアンダーの点検ではエンジンオイルリークとATFリークが見られた。年式から思えばこの程度のリークは起こっていて普通だろう。
 
リヤサスペンションシステムには問題はなし。
 
ブレーキシステムでは新車から分解点検を行った事がないのか!生産時にドラムが外れないように止めるファスナーがきれいに付けられたままだった。ファスナーを外し中身を点検。 リヤーブレーキウイルシリンダーからブレーキフリュード漏れが発生していた。ラニングを押さえているハードウエアーも錆で朽ち果てそうな状態だった。エンジンルーム点検ではラジエーターロアーホースバンドの締めがあまいのかクーラント染みが出来ていた。
 
その他の補機類に異常はなさそうだ。
スキャナーをリンクさせ、KOEO(キーオン、エンジンノットラニング).KOER(キーオン、エンジンラニング)の二種類のダイアグノーシスを行ったが異常は見られなかったが、クラスタメーター内にSRSワーニングランプがピカットと光っている。この年式のPCMはボディーコントロールとリンクされていないのでSRS専用のスキャナーをSRSダイアグコネクターに取りつけトラブルコードを読み取る事にした。
 
後日談ではあるがサイドドアーが車内からも社外からも開かなくなってしまいガレージに駆け込んできた。取り合えず開くように細工しその場はしのいでもらう事にした。パーツが無ければ何も出来ないのです。ドアーの故障も含め予算に合わせた優先順位を決め整備を行う事になった。ドアー開閉の修理でどこを削るか頭を悩ます事になったのは言うまでもない事である。
 
オーナーが気になっている所。
特に危機感はないが、やはり全体的な状態を把握しておきたい。
命に関わるような箇所は修理をしたい。
 
修理屋が気になった所。
また、買い替えたの!
今度は大丈夫でしょうね?
外見はとてもきれいですが肝心の中身はどうなのか、ガレージのカスタマーと言うより友達と言った方が良いかもしれない変態オーナーさんとエコノが気になった、その物なのです。

  • 何時もならガタがありますね、となるのだが今回はガタが無さ過ぎますねとなった。キャリパーもひきずり気味のようなので一掃しちゃいましょう。
  • ブレーキホースのパイプ部分は錆でヤスリのザラザラに劣化している、ピンホールができないうちに交換しちゃいましょう。
  • なんとも頼りなさそうなキャリパーロックピンだ。曲げられた鉄板の間にあるラバーが硬化し破損したらキャリパーは外れてしまうので交換しましょうね。
  • フロントサスペンションロアーボールジョイントに大きなガタがあるようだ。カップから抜けちゃう前に交換しましょうね。
  • 次々と出てくる不具合箇所にさすがのオーナーも心配そうに眺めていた。画像に吹き出しを入れたくなってしまう一面でもある。
  • お約束のラディウスアームブッシュは純正のラバー製品が使われていた、交換した形跡は見られない事からやはり純正ラバー製品は寿命が長いと確信できた。
  • ホース類はラバー製品なのでたまに増し締めをしないと伸びて柔らかくなったホースの切り口からクーラントが滲みだしてしまうのです。
  • クーリングシステムウオーターポンプに使われているベアリングの熱放出穴からクーラントが滲みでた跡が残っていた。
  • エンジンクランクシャフトリヤーオイルシールからのオイル滲みがある、年式からしてこのくらいの滲みは仕方ないだろう。
  • 大きなオートマッチクトランスミッションからは、オイルパンガスケットからとマニアルシャフトオイルシールから滲みが発生していた。
  • 大きくて重たいオートマッチクトランスミッションを支えるミッションマウントは重要だ。劣化で硬化していたり切れていたら交換したほうが良いぞ。
  • リヤーウイルブレーキシリンダー内部は錆でいっぱいだ、この状態からオーバーホールは無理があるのでASSY交換の方が得策だろう。
  • 21年も使っていればいくら丈夫なハードパーツでも劣化はするだろう。ライニングを取り付けているハードウエアーは錆が凄いので交換しましょう。
  • リヤーサスペンションは使用年数の割にはしっかりしていましたね。あと何年間はこのままで行けるんじゃないでしょうか。
  • パーキングブレーキケーブルが異常なまでに錆びているようだ。何かをトーイングしていて海水にで浸かる機会が多かったのかな?
  • プロペラシャフトユニバーサルジョイントはしっかりしていましたね。錆もなくデフもいい感じじゃないですか。
  • エンジンルーム点検に入りましたが、エコノ程狭くて点検しずらい車輌は他にはないだろう、ライトの光を頼りに細部に渡り点検を行っていく。
  • うお~すごい汚れたエアーフィルターですね。燃費工場、出力再生のためにも交換しましょう、エアーでシュ~ットやちゃダメですよ。
  • PCM診断時キーをONにするがONにした瞬間ピカッと光るSRSワーニングランプ。色がオレンジなので見た目あまり危機感は感じられないですよね。
  • エンジンランにて補機類の点検を行う。ウオーターポンプから少々ノイズが聞こえてきていますね、早めに交換しましょうね。
  • PCMスキャンは、KOEO、KOERと二種類のダイアグノーシスを行う。どちらも異常なくパスした。
  • 懐かしいですね、カセットテープなんて。でもアメ車っていつまでもこのパターンが多かったような気もしますが。何年頃からCDになったんでしょうか。
  • OBDシステムになっていないコンピュターシステムのダイアグノーシスコネクターは統一されていないのでコネクター探しも一苦労する。
  • SRSワーニングはSRS、ABS、専用のダイアグノーシススキャナーを使いダイアグノーシスを行う、どうやらエアーバッグ用のSRSコイル不良のようだ。

点検を終えて

石橋を叩いて渡るくらい慎重に吟味し購入に踏み切るオーナーもいれば、感性だけを信じて大きな賭けをするオーナー。どちらも私的には好きだ。アメ車に乗る者にわるい人間はいないと私は感じている。今回は点検云々よりアメ車乗り達と常に触れ合う事ができる私は実に幸せ者だ、アメ車乗り全てのオーナーに感謝をしたい、そう思った診断でした。

結果は、ファクトリー入り決定です。