愛車診断の流れ
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愛車診断の点検項目は戸村ガレージ独自のものです。
よくある「流れ作業」では本当の点検はできません。
人間と同じように、車一台一台に癖もあれば個性もあります。
今まで何百台も外車の点検と修理を手がけてきたからわかる「車に合った点検方法」で「問題が起きやすい箇所」をメカニックが責任持っておこないます。
ダイアグノーシスというコンピュータ診断を行い、2〜3時間かけて、アメ車をじっくり点検します。
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Step1. 問診
普段から気になっている事や、症状などを問診します。
これから点検を実施する車は、戸村ガレージにとって初めて触る車。
これから点検をおこなうというのに、何も把握できていない状況では、それはオーナー様はもちろん、戸村ガレージとしても納得がゆく点検は出来ません。オーナー様の車の事を一番知っているのは、プロの私達ではなく、オーナー様自身なのです。
車好きな友達と話す感覚で、気になる症状や、ちょっとしたことでも、何でも話してください。
「ハンドルを切ると、ぎこぎこ言う」
「スピードを出すと、なんか変な音がかすかに聞こえてくるような…。」こんなアバウトな説明の仕方でも大丈夫ですよ。
せっかく点検をするのですから、気になることは徹底的に伝えてください!
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Step2. フロント周りの点検
車の要となる重要な部品がいっぱい集まっているフロント周り。
特に細かくチェックします。フロント周りは、走行する車にとって、特に重要な部品が集まっていますから、しっかりジャッキアップして行います。
アクスル関係のコントロールアームボールジョイントは、人間で言えば「足首」や、「手首」の間接のような役割をします。
サスペンション関係のショックアブソバーや車体に取り付けられている個所にあるブッシュは、人間で言うと足首や手首を守る「筋肉」や、「アキレス腱」にあたる部分です。アクスル関係やサスペンション関係が正常に機能していないと、曲がることはおろか、まっすぐ走ることさえ困難になります。
走行中にハンドル操作が不能になったら…。
想像してみてください。
こんなことが実際に何例も起こっています。グリスアップさえしていれば大丈夫と言うわけではありません。
定期的なグリスアップと点検が必要です。また、もう一つ重要なのがブレーキの点検。
ブレーキは止まるだけのものと思われていますが、ブレーキホースの詰まりは車の走行不能につながりますし、キャリパーが固着すると、ハンドルを取られてしまいます。いずれにしても、オーナー様や、オーナー様の大事な人達の命に関わる部品が揃っているところなのです。
フロント周り フロントブレーキ ・ブレーキペダルの踏みしろ ・ブレーキパイプの錆び、干渉 ・ブレーキパットの残量、取り付け状態 ・ブレーキローター&ドラムの磨耗、変形など ・ブレーキホースの硬化、ひび割れ、干渉 ・ABS装着車の場合、配線の切れ、干渉 フロントアクスル ・ハブベアリングのがたつき ・回転させた時の異音チェック ・ハブキャップの状態 ・コントロールアームUPボールジョイントのがたつき、
ダストブーツの切れなど・コントロールアームUPブッシュのひび割れ、磨耗 ・コントーロルアームLOWボールジョイントのがたつき、
ダストブーツの切れなど・コントロールアームLOWブッシュのひび割れ、磨耗 フロントデフ ・オイル漏れ ・ブッシュの異常 ・取り付け不良 ・ギヤーオイル量 ・フロントドライブアクスルシャフトブーツの切れ、
グリスのはみ出しサスペンション ・コイルスプリングの状態、へたり、曲がり ・ショックアブソバーの状態、オイル漏れ、取り付け部分ブッシュの異常 ステアリング
リンケージ・ステアリングコラムの異常 ・ステアリングギヤーボックスの状態、オイル漏れ、取り付けの緩み ・ピットマンアームの状態、ボールジョイント部分のガタつき、取り付けの緩み ・アイドラアームの状態、ボールジョイント部分のガタつき、取り付けの緩み ・ドラックリンクの状態、ボールジョイント部分のガタつき、取り付けの緩み ・タイロッドエンドインナーの状態、ボールジョイント部分のガタつき、取り付けの緩み ・タイロッドエンドアウターの状態、ボールジョイント部分のガタつき、取り付けの緩み ・ステアリングダンパーの状態、オイル漏れ、取り付け部分ブッシュの異常 タイヤ ・タイヤの状態、溝の深さ、変磨耗、異物の刺さり、空気圧 -
Step3. エンジンアンダーの点検
エンジン周りは上からだけではなく、下からも点検を行なうことで、細かいところまで正確に状態を確認することができます。
車の下に潜り込み、エンジン部分のオイル滲みや、その他の不具合の状況を確認していきます。
アメ車のエンジンは「V8」エンジン。
まさしく文字が表している通り「V」の形をしていて、頭でっかちです。
そのV8エンジンを上から見ても、尻窄まり(すぼまり)になっていて、死角になる部分がたくさんあります。ですから下からも点検することで、なかなか発見されにくいオイル漏れや、冷却水の減りも分かります。
思わぬ個所からのエンジンオイル漏れや水漏れは、知らず知らずの内にエンジンを蝕んでいき、オーバーヒートや、異音を引き起こすきっかけになります。
この点検には、オーナー様にも一緒にクリッパー(寝板)に乗り、車の下に潜り込んでいただき、詳しい説明をします。(強制はしませんが、戸村ガレージとしては、オーナー様にもしっかり確認していただきたいので、一緒に潜り込むことをお勧めします)
エンジンアンダー エンジンアンダー ・ブレーキペダルの踏みしろ ・エンジンの状態 ・ヘッドガスケット ・オイルパンガスケットなどからオイル漏れ ・クーラント漏れ ・エンジンマウントのつぶれ、切れ、硬化 ・パワーステアリングポンプのオイル漏れ、取り付け不良 オートマチック
トランスミッション・オイル漏れ ・マウントのつぶれ、切れ ・シフトリンケージブッシュの割れ、緩み -
Step4. リヤー周りの点検
フロントの次に重要な部品がいっぱいあるリヤー周り。
フロント同様、しっかり点検します。フロント同様、ブレーキなど車の走行に重要な部品が集まっていますので、ここも念入りに点検をおこないます。
リヤブレーキの利きが悪くなると濡れた路面でのちょっとしたブレーキングでも、車体が横滑りを起こしてしまいます。
ホイールシリンダーからブレーキオイルが滲みだしてないか、ブレーキライニングの残量点検と作業を進めていきます。
次にリヤーアクルス(足回り)です。
外見上同じように見えますが、実は車種により構造も弱点も違いますので、車種にあった点検をおこないます。車の下に潜り込み、プロペラシャフトに付いているユニバーサルジョイント呼ばれる部品の点検や、ブレーキパイプ、ガソリンパイプ、ホースなどの状態を点検します。
ここで再びオーナー様と「クリッパー」で潜り込み、不具合個所の確認と、処置、対策について説明をします。
リヤ ブレーキ ・サイドブレーキの踏みしろ ・ブレーキパイプの錆び、干渉 ・ブレーキホースのひび割れ、硬化、干渉 ・ブレーキローター、ドラムの歪み、磨耗 ・ホイールシリンダーからのブレーキオイル漏れ、固着 ・サイドブレーキの作動 ・ブレーキシューの残量、割れ ・ライニングのはがれ ・フューエルフィルター、ホースの状態 ・フューエルポンプの異音 ・燃料タンクの取り付け状態 ・エキゾストパイプ、マフラーの状態 リヤーアクスル ・コントロールアームUPボールジョイントのがたつき、ダストブーツの切れなど ・コントロールアームUPブッシュのひび割れ、磨耗 ・コントーロルアームLOWボールジョイントのがたつき、ダストブーツの切れなど ・コントロールアームLOWブッシュのひび割れ、磨耗 ・デフホーシングの状態、取り付け不良、曲がり、オイル漏れ ・アクスルシャフトの曲がり サスペンション ・ショックアブソバーの状態、オイル漏れ、取り付け部分ブッシュの異常 ・リーフスプリングの取り付け不良、曲がり、へたり ・サイレンサーパットの状態 ドライブトレイン ・プロペラシャフトクロスジョイントのガタつき、錆び ・プロペラシャフトバランサーウエイトの付き、曲がり ・センターサポートの切れ ・ベアリングの不具合 -
Step5. エンジンコンピュターの点検
1981年からアメリカ車はコンピュター制御され、年々、制御されるシシテムが増えてきています。
コンピュター診断では隠れていたトラブルを発見できます。ディーラーで使用されている、オフィシャルツール(純正工具)と同じ診断機を使用して、車を動かしているメインコンピュータにアクセスします。
SESが点灯していればその原因を把握できますし、点灯していなくても過去にトラブルがあればその原因も知ることができます。
人間で言えば脳のCTスキャンです。
診断機に写しだされた、たくさんのセンサーデーターから不具合の予知もできます。
もちろんコンピュター診断作業においても一緒に診断機のモニターをのぞき込みながら分かりやすい説明をいたします。
「診断機」と一言でいっても、その種類はたくさんあります。
例えば、エンジンチェックランプが点灯した時は、DTC(ダイレクトトラブルコード)不具合を番号で表すようになっていますが、その番号だけを知るための診断機は、「コードリーダー」といい、「診断機」とは別物です。
戸村ガレージが使用している診断機はオフォシャルファクトリーツールで、全てのメーカーに対応していますから、どんな車でも詳細を知ることができます。
エンジンコンピュター コンピュター診断 ・過去に起きたトラブルの確認 ・現在起きているトラブルの発見 ・これから起こり得るトラブルの予想 ・エンジンデーターセンサー確認(水温、チャージ量、油圧など) ・イグニッションシステムの点検確認 ・フューエルシステムの点検確認 ・オートマッチクトランスミッションの状態 ・ABS、SRS系統の点検確認 ・オーディオ関連の点検確認 ・PCMプログラミングバージョンの確認、プロフラミング作業 ・現在セットされているトラブルコードのクリアーとリセット作業 -
Step6. エンジンルーム内の点検
分かっているけど、中々できないのがエンジンルームの点検です。
パーツには寿命があり、寿命が尽きる前に交換する事で不意のトラブルを回避する事ができます。ここではエンジンオイルやATFと言った油脂類の質と量を点検していきます。
正しい点検方法方や、オイルの交換時期の判断、不意のトラブル時の対処方などを、アドバイスしながら作業を進めていきます。
街でエンジンルーム内から鳥が鳴いているような音を出している車を見かけたことがありませんか?
これは、エンジンを回転させるために付いている補機類を回しているファンベルトか、補機類自体に、不具合が起きているのかも知れません。音の根源を突き止めるには、サウンドスコープ(聴診器)を使います。
サウンドスコープを使えば、小さな音からでも異常なのか正常なのか判断できます。
エンジンルーム内は、オイルや補機類ばかりではありません。
電気配線やブレーキに関係する物も詰め込まれています。
雑な電気配線やブレーキオイルの寿命なども、点検しアドバイスをおこないます。エンジンルーム エンジンルーム点検 ・エンジンオイルの質、量 ・ATFの質、量 ・パワーステアリングオイルの質、量 ・ブレーキオイルの質、量 ・エンジンオイル漏れ ・クーラント漏れ エンジン補機類 ・エアーフィルターの汚れ ・オルタネーターの取り付け状態、発電量 ・エアコンコンプレッサーの異音、ガス漏れ ・パワーステアリングポンプの取り付け状態、オイル漏れ ・ファンベルトの状態、伸び、磨耗、亀裂 ・ファンベルトテンショナーの機能、取り付け状態、プーリーの異音 ・ファンベルトアイドラプーリーの取り付け状態、ベアリングの異音 ・ラジエーターUPホースの状態、硬化、切れ、漏れ ・ウオーターポンプからの異音 ・クーラントの漏れ、量、濃度 ・クーリングファンカップリングの動作状態 ・ラジエーターの取り付け状態 ・ファンシュラウウドの取り付け状態、割れ、ずれ ・バッテリーターミナルの緩み、電気配線、エンジンハーネスの状態 -
Step7. 点検結果の説明
点検をおこなったメカニックから、不具合個所について再度説明をいたします。
専門用語はなるべく使わないようにしますが、分からないことがあれば何回でも聞いてください。
「専門用語でごまかしたりせずに、分かりやすく説明することができる」のが、本当のプロだと思っています。チェック表は不具合の状態に応じてランクを付けていますので、 チェック表を元に今後のメンテナンス計画のアドバイスをします。
アメ車点検を行ったからと言って、必ずすぐに修理を強制するものではありません(もちろん、不具合状態によりますが…)。
見積を後日、e-mail、FAX、郵送などでお送りしますので、その見積もりを見てから、修理を行う場合はオーナー様から連絡をください。
戸村ガレージは営業の連絡はしません。予算に合わせたメンテナンス計画見積を新たにまとめることもできますから、「やった方がいいのは分かってるんだけど…」というようなときも、相談がてら、連絡くださいね。
もちろん、アメ車点検終了後、そのまま車をお預かりすることもできます。
以上で、点検は終了になります。
お疲れ様でした。