愛車診断 対応事例
ビュイック リーガルワゴン
愛車診断 | |
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車種 | ビュイック リーガルワゴン |
依頼内容 | 購入後、色々な不具合にみまわれそのつど修理を行い乗っていたが エンジン不調とオーバーヒートになってから放置してしまった。 予算内で直せるものなら悪い箇所は全て直して乗りたいと考え応募をした。 |
朝晩の通勤でアメ車とすれ違う事が少なくなっていたなと思っていたら、最近になって増えきたような気がするんだよね。交差点で交通量を調査してる人が持っているカウンターで一台、二台ってやってる訳じゃないんだけどさ、フルサイズのピックアップやSUVを見かけるようになって嬉しく思っている。
国産をけなす訳じゃないけど俺にしてみたら、姿形は違えど皆同じ、おお!って思うのは軽トラくらいかな。なんか好きなんだよね軽トラ。
今回の愛車診断車輌とはまったく関係ないけどこれが俺の近況かな。
今回取材協力してくれたのは立川市在住の小川さん。
愛車は、1996年ビュイックリーガルワゴンだ。
エクステリアにウッドデカールが施されていてカッコ良い、けどFWD車なのでメカニカル的には頑丈とは言えない。
診断の理由ですが、オーバーヒートにエンジン不調のために修理に入ってきたのですが最近ではあまりお目に掛かれない車なのでガレージサイドから取材協力をお願いした次第です。
エンジン不調に陥りしばらく放置してしまった愛車を元気にするにはまずはどこを修理すればよいか、不調の原因はどこなんだろうか?
さっそく診断をはじめる事にしよう。
フロント側の点検を行うためにフロアージャッキで車体を上げていくと緑色の液体がポタポタとたれてきた。そうとうな量が漏れてどこかに溜まっているようだ。ブレーキシステムではブレーキホースは前後共に交換時期にきているようだ。
リヤーブレーキドラムとライニングの間に石でも噛んだのかドラムとライニングに深い溝ができていた。
サスペンションシステムではフロントコントロールアームロアー、ブッシングとリヤースイングアーム、ブッシングが劣化により硬化しクラックが発生していた。
エンジンを支えるエンジンマウント&トランスミッションマウントも全て切れていた。このままだといつかはエンジンルームからエンジンミッションが飛び出してしまうのではないか?
エンジンアンダーでは油脂類の漏れとクーラント漏れがすごい。油脂類の漏れはともかくクーラント漏れは一箇所からでないようだ。ジャッキアップ時に垂れてきたクーラントはパッセンジャーサイドのダストパネルに溜まっていたクーラントが斜めになり流れてきた物だろう。点検時には垂れてくるクーラントを避け避け点検をする始末、この漏れも、原因を探し修理をしないと放置せざるえないだろう。油脂類の漏れだがどうやら、パワーステアリングシステムからのフリュードと判明した。漏れはパワーステアリングシステムだけではなく他の箇所からも発生しているようだ。
エンジンルーム点検で避けるように点検をよぎなくされたクーラントはラジエーターアッパーホースネックにクラックが入っていた事が分かった。狭いエンジンルームに大きなエンジンを。ごそっと詰め込まれた車のエンジン各部を点検するのは非常に面倒、と言うか至難の業である。ライトを照らし目視する角度を変えなんとかして見つけようと努力する。
エンジンスキャナーをECMにリンクさせエンジンをスタートさせるとガクガクしながら何とかエンジンはランしている。
スキャナーのモニターには、ミスファイヤートラブルが出ている。簡易点検だがコイルからプラグワイヤーを抜きIGNスパークが出ているか確認をおこなった結果二箇所IGNスパークが飛んでいない所までは知る事ができた。スパークが飛ばない原因追求は診断内では時間がないので後日再点検を行う事にし診断を終えた。
オーナーが気になっている箇所。
エンジン不調
スパークがランダムに失火する事で点検範囲は広範囲に考えなければいけない。
結果、IGNコイルの不具合と分かった。
オーバーヒート
インテークマニフォールドガスケットからのクーラント漏れ。
ラジエーターホースネックのクラック。
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ブレーキパッドのアウト、イン、サイドボードシューライニングの残量はまだまだありそうですね。
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ブレーキホースはカバーホース、補強層と何層も重ね作られ比較的寿命は長いパーツだが経年劣化が見られた時は交換した方が良いだろうホースエンド部分も容チェックが必要。
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FF車を極端に言えばリヤーがなくても走りそうだそれゆえにフロントサスペンションは重要だ、ブッシングの劣化が見られたらすぐに交換したい。
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サスペンション、アクスルの繋ぎ目に用いられるボールジョイントはFF、RWDに関わらず重要なパーツだ。点検には細心の注意を払い行う。
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パワーステアリングラック&ピニオン、ハイプレッシャーホースからフリュードが漏れている、破裂する前に交換した方が良いだろう。
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エンジンマウントフロントが切れている、アクセルのオン、オフ時にエンジンが大きく揺れ衝撃を感じるだろう。
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オートマッチックトランスミッションフリュード、クーラーホースもエンドからフリュードが漏れている。
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クーラーホースエンドからの漏れを放って置くとホースが溶けたようになり一気にエンドから抜けてしまう事があるのですぐに交換した方がいいぞ。
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リヤーブレーキシステムは、ホースの劣化とライニングの偏磨耗で済んでいるようだ。後ろが軽い分シリンダーへの影響は少ないのだろう。
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ドラムとライニングの間に小石でも噛んでしまったか、ライニングとドラムに幅広い溝が掘られたようになっていた。
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燃料蒸発ガスをインテークに送るためのホースが溶けて切れている、走行を続けているとエバポレーティブエミッションシステムに関するSESが点灯するだろう。
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リヤーサスペンションシステムに使われているブッシング類に経年劣化が見られた。リヤー自重はあまりないので先にフロントサスペンションを整備しよう。
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外見を見る限り特に悪くない逆に新しいと見えてしまうが実はきれいななのは表面だけマフラーを指で少し押すとぽよんぽよんと表面が歪んでしまう。
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エンジンルーム点検、油脂類の点検ではブレーキフリュードは交換したい。その他ではエアークリーナーくらいだった。
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長く使い過ぎてしまったのでしょうね、乾燥しきって今にもぽろぽろとフィルター紙が砕けそうな状態だった。
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ラジエーターホースを外すように少しずらすとネックの根元部分がクラックしている事が分かった。
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エンジンアンダーカバーに溜まっているクーラントはどこから漏れて溜まったのだろうか。クラックを起こしていたラジエーターは間逆方向にある。
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エンジンアンダーカバーに溜まっているクーラントはどこから漏れて溜まったのだろうか、クラックを起こしていたラジエーターは間逆方向にある。
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エンジンインテークマニフォールドとブロック、ヘッドの3個の部品が接する面からクーラントが染みだしている、修理にはインテークマニGKの交換が必要だ。
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エンジン不調とオーバーヒートが原因で乗らなくなってしまった愛車。エンジンコントロールモジュールのダイアグノーシスでヒントを得られる事はできるだろうか。
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エンジンをスタートさせた瞬間に症状を感じた、IGNスパークが少なくとも一つ以上は失火しているだろう、グラフ表示させるミス回数は瞬く間に増えていく。
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失火しているシリンダーのプラグワイヤーを外しスパークが出ているか簡易点検をおこなった。一回目では失火してシリンダーだったが再点検では...。
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同シリンダー再点検では弱いがスパークは出ている。ランダムに不具合が発生する場合原因は広範囲に考えなければいけない。
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広範囲とは、サーキットショートや断線、IGNコイル、IGNコントロールモジュール最悪はPCM内のPROMまで点検する必要がある。
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最後にパワーシートの不動を点検するためにノブを動かしていたら突然動き出してしまった。スイッチ内で接触不良が起こっているのだろう。分解清掃給油で直りそうですね。
オーバーヒートを繰り返し乗っていたようなので、万が一ヘッドが歪みヘッドガスケットに不具合が生じていたら、クーラント漏れを修理した後システムに加わる圧力によりヘッドガスケットから漏れる恐れがあるかもしれない。
サーキットを保護するためのコンボリューズースチューブなどは熱により硬化し割れてしまいサーキットが剥き出しになり接触するパーツと擦れ合いショートを起こす事がある、点検を行っていて触れただけでポロポロと砕けてしまうようなチューブは交換したいといつも思う。