アメ車、エンジンリビルド、手順3
2024年7月1日更新
リビルドされてないシリンダーボアはSTDですよね
ではSTDのままでリビルドできるのか、それとも手を
加えないとリビルドできないのかを確認するには前に書きましたが
シリンダーゲージをSTDにセティングしシリンダー内径を測定し
摩耗度合と歪みの点検を行い決めます。
サービスマニュアルのエンジンスペックには、部品のサイズと
使用限度サイズが記載されていますが、数値に当てはまっていれば
大丈夫だろうは間違っています。
分かりやすい部品で説明しますと、クランクシャフトが分かりやすいと
思います。
例えば新品クランクシャフトのメインジャーナルの外径が10だと
しましょう、マニャアルには9.9~9.0まで使用可能と記載されています。
測定したシャフトの径は9.5で測定面にも傷一つない状態なら再使用可能な範囲ですが、
将来的な事を考えるとやはり再使用はできません。
傷があった場合は傷を消すために研磨を行わないいけません。
傷は溝なので溝をなくすためには傷の一番底より少しほんの少し
削らないと溝(傷)は消えませんよね。
爪の先に少しだけ引っ掛かる程度の傷でもそのままでは再使用はできません。
傷を消すために研磨を行うとアンダーサイズになります。
アンダサイズとは?作業手順では欠かせない作業なので後に書く事に
なるので少々お待ちくださいね。
ガレージに入庫するエンジンリビルドの中でもっとも多いのが
リビルドしたてなのに「クランクシャフトから打音」がしてきたです。
打音を発生するのはクランクシャフトだけではないですが
クランクシャフトは知識がないメカニックが一番手を出しやすい部分
だからです。
現在日本で一般的に用いられる測定方法に、メインジャーナルと
ベアリングの隙間をプラスチゲージで測定する方法です。
エンジンを分解し清掃し使われていたクランクシャフト使われていた
メインベアリングでプラスチゲージを使い隙間を測定します。
測定の結果、再使用範囲内にあるので、ベアリングだけ新しくして
組んでしまうのです。
ここで気になるのが、傷と摩耗度合です。
再使用範囲と言うのは、「現時点の数値」ならSTDサイズのベアリングで組める
と言うだけで将来的な事は何一つ平気とは書いていません。
「現時点」と「将来」を重要視しないで組むからすぐに打音が
出てしまうのです。
傷に関してですが、シャフトの外径は傷の外側を計っていますよね
線傷の底は測定できないですよね。
傷があるまま組むとシャフトの傷(溝)に合わせて新品のベアリング
が摩耗します。正常な状態なら平らな面どうしが擦れ回転しているのですが
キズがあるシャフトだとキズの部分は平らな面より早く摩耗していきます
その結果、平らな部分の摩耗も早まると言う事です。
爪の先にも引っ掛からないけど目では見えるんだよなって線傷程度なら
DYIで軽い研磨もできますが、ベアリングと擦れる部分は、端から端まで水平で
なければいけないので結果的にマシーンショップにお願いする事になります。
マシーンショップに送るのは良いがどうやってお願いすれば良いのでしょうか?
シャフトのアンダーサイズはどうやって決めていけば良いのかそれは
手順4に続く。