アメ車修理、エンジンリビルド、リビルド手順2

2024年6月18日更新

分解した部品を測定するのですが、それぞれに合った測定器が必要になります。

丸い物の外径や厚みを計る時はノギスを使う事が多いと思いますが、ノギスですと

精度が出せないので、マイクロメーターを使います。

マイクロメーターも測定できる範囲があり、エンジンリビルドに使うなら

3種類のマイクロメーターが必要になってきます。

 

内径を測定する時は、テレスコーピングゲージとかボアゲージを使います

一般的にはテレスコーピングゲージをシリンダーの中に入れスプリングの

力で広がった長さの所で固定し抜き取りマイクロメーターで長さを計ります。

または、棒型マイクロメーターと呼ばれる測定器もあり、これはシリンダー

の中にメーターを入れ本体の長さを伸ばしシリンダーの内径を直接読み取れる

メーターです。

 

部品の大きさや内径を測定する計器の他に、物の差を測定する測定器も

必要です。

シリンダーは筒状の物で内壁は平だとは限りません。

左右に振られながら上下しようとするピストンがシリンダー壁と擦れあっている

間に歪みを作ってしまうのです。

その歪みを測定するのがシリンダーゲージと言います

専用のアタッチメントにダイアルゲージを取り付けてシリンダーの

内径を計ります。

SBC 350のSTDシリンダーボアーは、4.000インチ

なのでマイクロメーターで4インチを出し、4インチ用にセッティングした

シリンダーゲージをマイクロメーターで計り0にセティングします。

シリンダー内部にシリンダーゲージを入れ針が振れた分を読み取ります。

シリンダーゲージは4インチで0にセティングしていますから、シリンダー

が摩耗している分だけ針が反時計回りに振れる事になります。

時計回りに針が振れた時は0セティングが正しくないので再度セティングします。

エンジンが過去にリビルドされていて、オーバーサイズピストンが使われて

いる時。

リビルドをしていると過去にリビルドをされたエンジンに出くわす事が多々あります

基本はSTDサイズなので、取り合えずノギスで内径を測定します。

4インチからかなりかけ離れたサイズだとボーリングされた事が分かるので

まずはどのくらいオーバーサイズなのか確かめる事から始めます。

ほとんどの場合ピストンにサイズが打刻されているのですが、

打刻が消えていたり無い場合もあります。

こんな時はサイズ確認がすごく大変なんですが、オーバーサイズピストンや

アンダーサイズクランクシャフトベアリングは0.010から0.060と0.010刻み

なのです。

なので摩耗分は取り合えず考えずSTDサイズからどの位オーバーサイズなのか

測定しボーリングされたサイズを計算して求めます。

これからリビルドしようとするエンジンが例えば0.020オーバーサイズと

分かったら、マイクロメーターの値を4インチ+0.020にセティングし

シンダーゲージもそれに合わせてセティングして測定し直します。

 

リビルドされてないシリンダーボアはSTDですよね

ではSTDのままでリビルドできるのか、それとも手を

加えないとリビルドできないのかを確認するには前に書きましたが

シリンダーゲージをSTDにセティングしシリンダー内径を測定し

摩耗度合と歪みの点検を行い決めます。

サービスマニュアルのエンジンスペックには、部品のサイズと

使用限度サイズが記載されていますが、数値に当てはまっていれば

大丈夫だろうは間違っています。

 

分かりやすい部品で説明しますと、クランクシャフトが分かりやすいと

思います。

 

例えば新品クランクシャフトのメインジャーナルの外径が10だと

しましょう、マニャルには9.9~9.0まで使用可能と記載されています。

測定したシャフトの径は9.5で測定面にも傷一つない状態なら再使用可能な範囲ですね

傷があった場合は傷を消すために研磨を行わないいけません。

傷は溝なので溝をなくすためには傷の一番底より少しほんの少し

削らないと溝(傷)は消えませんよね。

爪の先に少しだけ引っ掛かる程度でも

 

手順3に続く